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2024年2月9日金曜日

グーグルが会話型AIを「C」に刷新

 



グーグルが会話型AIを「Gemini」に刷新、ChatGPTが拓いた市場を切り崩せるか

グーグルが会話型AI「Bard」の名称を「Gemini」に刷新し、新たに高機能版「Gemini Advanced」を含むサービスの有償提供を始めた。より多機能なパッケージを月額課金で提供することで、ChatGPTが切り拓いた市場を切り崩す狙いがある。
ハイテクテクスチャーに星が入った頭のシルエットのイラスト
イラスト: ジャッキー・ヴァンリュー; ゲッティイメージズ

OpenAIの「ChatGPT」がテック業界の新時代を切り拓くと、それまで業界内では人工知能(AI)分野の覇者だったグーグルは対応策として研究所を再編し、ときに重複する多数のAIサービスを提供し始めた。そこには会話型AI「Bard」、業務を支援する「Duet AI」、チャットボット形式の「Google 検索」などが含まれていた。

いま、グーグルは生成AIを含む製品の多くを最新のAIモデル「Gemini」に基づいて統合しており、OpenAIが提供する月額課金の有料サービス「ChatGPT Plus」に狙いを定めている。グーグルが昨年3月に急遽立ち上げた実験的なチャットボット「Bard」の名称を、「Gemini」に変更すると2月8日(米国時間)に発表したのだ。

このGeminiという名称は、昨年12月からBardに搭載されていたテキスト、音声、画像対応のAIモデル「Gemini」と同じである。Geminiはまた、グーグルのサービスにおいて重要な位置を占めるようになってきている。Androidスマートフォンでは専用アプリが用意され、アップルのモバイルデバイスにおいては主要なグーグルアプリに組み込まれることになる。

グーグルがAIモデル「Gemini」を最初に発表したとき、Geminiは同社が提供するAIサービスの新たな基盤だと表現されていた。しかし、安全性のためにさらなるテストが必要だとして、最も性能が高いバージョンの提供は保留していた。その最高性能バージョン「Gemini Ultra」が、グーグルのチャットボットの最上位モデル「Gemini Advanced」で利用できるようになった(現時点では英語版のみ)。

利用するには、グーグルのクラウドサービス「Google One」の新プラン「AI プレミアム」に加入する必要がある。Google Oneの月額10ドル(日本では1,300円)の「プレミアム」プランでは通常、2テラバイトの追加ストレージを含む機能が用意される。これにGemini Advancedの利用権を加えたものが、月額20ドル(日本では2,900円)で利用可能になった。

グーグルのこの新しいプランで提供される機能の内容は、OpenAIが提供している月額20ドル(約3,000円)の「ChatGPT Plus」を大幅に上回る。ChatGPT Plusでは、OpenAIのチャットボットの最高性能バージョンの利用と、開発者が作成したカスタムチャットボット機能を提供するOpenAIの新しい「GPT Store」を利用できる。同じ月額料金でGoogle Oneのユーザーは、高性能のチャットボットを利用した検索に加えて、Gmail、Google ドライブ、Google フォトで共有の追加ストレージを利用可能だ。

“個性的”な反応を示すAIへと進化

グーグルのバイスプレジデントで、Google アシスタントとBardのジェネラルマネージャーを務めるシシー・シャオは、2月8日の発表に先立つメディア向けの説明会において、グーグルがGeminiとほかの主要なチャットボットのユーザーを対象にブラインドテストを実施した結果、グーグルのチャットボットが「最も好まれているチャットボット」であることが判明したと語っている。

シャオによると、グーグルは100人の一流のAI専門家にGeminiの上位バージョンの利用を許可し、複雑なリクエストでチャットボットを試すよう依頼したという。「専門家たちはとても熱狂し、本当にポジティブなフィードバックを提供してくれています」

グーグルによると、新しいGeminiは前に採用されていた中立的なトーンから脱却して個性的な反応を示し、「意図を理解し、個性をもって反応する」ようになるのだと、グーグルのプロダクトマネジメント担当ディレクターのジャック・クラウチェクは説明している。これはInflection AIが提供する「Pi」など一部の小規模なAIスタートアップが提供し始めた活気あふれるチャットボットや、ChatGPTのカスタムGPTに見られるさまざまなアプリ固有のペルソナに触発されているのかもしれない。

グーグルが主張するチャットボットの飛躍的な進歩にユーザーが気づくことは難しいかもしれない。アリゾナ州立大学教授でAIを専門とするスバラオ・カンバンパティは、GeminiやChatGPTに搭載されている大規模言語モデル(LLM)の間に大きな違いを見出すことは難しくなっていると語る。「基本的に、ほとんどのLLMが定性的な指標では区別がつかないところまで来ています」

カンバンパティはまた、100人のAI専門家がGeminiに感銘を受けたというグーグルの主張は、「歯科医の10人中8人」が自社ブランドを推奨していると自慢する歯磨き粉に似ているとも指摘する。グーグルにとっては、Geminiが提供するウェブ検索結果に発生するハルシネーション(幻覚)を減らす明確な改善策を示すことのほうが有意義だろうと、カンバンパティは考えている。

まずは英語版からスタート

ハーバード・ビジネス・スクール教授で大規模テクノロジープラットフォームの戦略を研究しているデビッド・ヨフィーによると、多くのユーザーはBardのことをChatGPTに劣ると考えるであろうことを踏まえると、グーグルがブランドを刷新したことは理にかなっているという。「Bardのブランドイメージは概して悪いものになっていました」と、ヨフィーは指摘する。

それにGemini Advancedの利用を有料にするのは、この技術の構築には非常にコストがかかることから理にかなっているともヨフィーは言う。この点は、グーグルの最高経営責任者(CEO)であるスンダー・ピチャイも『WIRED』のインタビューにおいて認めていた。

グーグルのGeminiがChatGPTと同等の知名度を獲得するのは、おそらくまだ先のことだろう。OpenAIによると、ChatGPTの週間アクティブユーザー数は1億人を超え、22年11月にサービス提供を開始してからは史上最も急成長している消費者向け製品のひとつとされている。その1年後、OpenAIの共同創業者でCEOのサム・アルトマンが解雇され復職するという4日間にわたる“騒動”が発生したが、その勢いはほとんど衰えていないようだ。

グーグルの広報担当者は、世界220以上の国と地域で「人々はGeminiとコラボレーションしている」と説明するのみで、以前はBardとして知られていたこのチャットボットが現在までに獲得したユーザー数についてグーグルは公表を控えている。新しいGeminiの提供開始では、まず米国で英語版が提供され、続いてより広範囲のアジア太平洋地域で英語版、日本語版、韓国語版が提供されることになるという。

昨年、Bardの提供が初めて開始されたとき、欧州でのサービス提供開始はほかの地域よりも遅かった。欧州の規制当局がプライバシーに関して懸念を示したことが理由と伝えられている。12月に提供が開始されたAIモデルのGeminiは、欧州では先週に入ってから利用可能になったばかりだ。これと同じ流れで、2月8日に公開された新しいモバイルアプリ「Gemini」も、現時点では欧州と英国では利用できない。

WIRED US/編集:滝本大介)

※『WIRED』による人工知能(AI)の関連記事はこちらBardの関連記事はこちら


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グーグルは自社のチャットボット「Bard」内に搭載した次世代AIモデル「Gemini」について、これまでで「最も有能な」AIモデルだと話している。テキストだけでなく、ビデオ、画像、音声でも訓練されているGeminiは、グーグル待望のChatGPTへの対抗策だ。

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